街乗りにと高燃費に重きを置いた
ビッグスクーターPCXを
ミニバイクとカート用の
ショートサーキットである
名阪スポーツランドで
走らせていると
加速力がもう少し欲しい
と感じたので
駆動系のセッティングを
変更したいと思います。

 

駆動系カバー取り外し

まずは駆動系のカバー
(クランクケースカバー)を
取り外します。

後方の樹脂カバーをまず外して

 

続いて前方の樹脂カバーを外します。

前方の樹脂カバーは
駆動系の送風版にも
なっているようですね。

 

続いて金属カバーを外します。

 

ドレンパイプが
サーキット走行時に擦れるので
外したついでに切っておきました

 

金属カバーの表面は
腐食しててきちゃないので
ざっくり磨いておきます

 

こんなもんかな

 

というのは
ケース自体の作りがイマイチなので
キレイになるまで磨くのは大変だし
ロゴも欠けてしまいそうだからです。

 

ウェイトローラーの変更

細かいことを説明していると
無知がバレますが
基本的にスクーターは

ウェイトローラーを軽くすると
低中速のエンジン回転数が上がり
加速重視

ウェイトローラーを重くすると
最高速重視
低中速のエンジン回転数が下がり
燃費重視

というわけで今回は
ウェイトローラーを
軽いものに変更します。

ウェイトローラーは
プーリーの中にあるので
プーリーを外します。

車体前方にある円盤が
プーリーです。

 

プーリーにあいている穴に
ユニバーサルホルダーを
センターのナットを緩めます。

私はエアーツールがあるので
インパクトレンチで外しました。

 

プーリーフェイスを外して

 

プーリーを取り出します。

 

バックプレートを
パカッと開けば
ウェイトローラーの
お目見えです。

 

ノーマルのウェイトローラーは18g
下調べした情報によると
PCXで社外マフラーを装着する場合で
だいたい15gを使用するようで
12gまでは最高速を殺さずに
加速振りにできるという事だったので
12gのウェイトローラーを用意し、
セッティングの様子を見ることにしました。

 

ウェイトローラーは向きがあるので
注意しましょう。

樹脂でフタされている方と

 

フタがない方

 

遠心力でローラーが飛び出ないように
回転方法にフタのあるように
セットしておきます。

 

ついでにバックプレートの
スライダーも新品に
交換しておきました。

 

クラッチスプリング・トルクカムの交換

次にクラッチスプリングを
交換します。

スクーターのクラッチには
2種類スプリングがありますが
今回はその両方を交換します。

まずはクラッチを外します。

こちらもユニバーサルホルダーで
回るのをおさえて
ナットを緩めることができます。

 

クラッチアウターを外すと
こういう状態です。

ナットにトルク管理の
ラインが引いてあるので
消えないようにしましょう

 

ナットは39mm
こういうレンチを使って
分解します。

 

段ボールの上などにクラッチを置き
足とハンマーを使って
ナットを緩めます。

 

ナットを外すと
スプリングの力で
ナットや部品が飛び出すので
このように足で押さえつけながら
ナットを外しましょう。

 

クラッチスプリングの交換

クラッチの部分を
分解していきます

Eリングはラジオペンチで
簡単に外せます。

Eリングを外したら
マイナスドライバーで
プレートを外しましょう。

 

プレートを外して見える
3本のスプリングが
クラッチスプリングです。

スプリングフックで
外しましょう。

 

ノーマル比約15%upの
キタコのスプリングを
用意しました。

これでクラッチミートの
回転数が上がります。

マニュアルミッションで
アクセルをあおってから
クラッチミートするような
イメージです。

 

トルクカムの交換

調べてみたところ
PCXは仕向け地によって
仕様が違っているようで
日本仕様は燃費重視に
なっているようです。

そのセッティングを決める
パーツの一つが
トルクカムです。

日本仕様らしく
(J)と書かれていますね

 

これを今回はベトナム仕様の
トルクカムに変更します。

ベトナム仕様の純正部品は
日本から直接注文できないので
KN企画が販売しているものを
用意しました。

 

オイルシールは
付属していないので
これは純正部品を手配しました。

  • シール,ドリブンフエイス 34
    品番 : 91211-KN7-671
    (2個必要)
  • Oリング 38.5X2
    品番 : 91351-GR1-000
  • Oリング,ピニオンキヤツプ
    品番 : 91351-642-000

 

日本仕様が変速的な溝に対して
ベトナム仕様は直線的な
溝になっています。

ノーマルでは50km/h前後で
加速に中だるみがあるのですが
これが原因でしょう。

 

トルクカムを外すには
マイナスドライバーで
カラーを外します。

 

2つあるピンを外します。

 

トルクカムが外れました。

 

ベトナム仕様のトルクカムに
オイルシールを取り付け
付属のグリスを
塗りたくっておきました

ピンやカラーを戻して
Vベルトが接触する部分は
脱脂しておきましょう。

 

センタースプリングの交換

クラッチセンタースプリングは
変速する時の回転数を決めるパーツです。

センタースプリングの
バネレートをupさせると
マニュアルミッションで
変速時の回転数を
上げるイメージです。

今回はキタコ製の
強化センタースプリングを
用意しました。

スプリングレートは
ノーマルの約11%up

 

これは簡単に交換できます。

 

分解する時と同じように
足で踏んずけて

 

マーカーラインが合うまで
ハンマーでどつきます。

 

駆動系の組付け

ウェイトローラーを
交換したプーリーと
スプリングを交換した
クラッチを車体へ組付けます。

まず、Vベルトを
クラッチ側にできるだけ
食い込ませておきます。

 

車体にプーリーと
プーリーボスをを取り付け、
ベルトをひっかけつつ
クラッチユニットを組み付けます。

 

プーリーフェイスを
組付けます。

締め付けトルクは
54N・m

 

クラッチユニット側のナットは
49N・m

 

軽くテストランしてみましたが
加速が鋭くなり、
変速の中だるみもなくなりました。

次のサーキットが楽しみです。

 

但し、
高回転を多用するようになったので
45km/L前後だった燃費は
約30km/Lまで落ちました。

ガソリン満タンから
160km程でゲージが
点滅するようになりました。